コラム
外壁
外壁メンテナンスで洗浄だけを行うことは可能?外壁洗浄の役割や費用相場などを解説
2021.11.17
外壁塗装は住宅にとって欠かせないメンテナンスですが、単に塗料を塗るだけでなく、塗装前に外壁を洗浄する工程があります。
外壁洗浄だけでも見た目がきれいになることに加え、外壁塗装は30坪の住宅で90〜140万円ほどかかるのが相場であるため、「費用を抑えたいし、外壁洗浄だけできれいになるなら、塗装を行わなくてもよいのでは?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、外壁塗装の基本的な工程を解説したうえで、塗装を行わずに洗浄だけを行うことは可能かについて解説します。外壁のメンテナンスを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
まずは外壁塗装の基本的な工程について見ていきましょう。
このように、ひとえに外壁塗装といってもさまざまな工程があり、塗装工程に入るまでに大きく5つの工程があります。外壁洗浄はステップ3の工程にあたります。
外壁塗装を行う際、「高圧洗浄(外壁洗浄)」という工程がセットになっているものですが、そもそもなぜ必要なのか知らない方も多いでしょう。
ここでは、なぜ高圧洗浄が必要なのか詳しく解説します。
外壁塗装における高圧洗浄とは、高圧洗浄機という機械を使用し、強力な水圧で外壁をクリーニングする作業のことを指します。
・一般家庭にある水道の水圧:2~4㎏f/㎠程度
・家庭用の高圧洗浄機の水圧:70~140㎏f/㎠程度
・業務用の高圧洗浄機の水圧:150~200㎏f/㎠程度
このように、業務用の高圧洗浄機にしかない強い水圧を使用することにより、長年外壁にこびりついた汚れを落とせます。
ただし、単に水圧が強ければよいというわけではなく、外壁の状態や箇所によって水圧を変える必要があります。たとえば、外壁が大きくひび割れているところに強力な水圧をかけてしまうと、さらに状態が悪化するケースがあるからです。
高圧洗浄により汚れや剥がれた塗膜を取り除くことで、きれいな外壁に塗料を塗布できるようになります。
バイオ洗浄とは、バイオ洗剤を外壁表面に塗って細菌を分解し、そのうえで高圧洗浄を行うものです。
高圧洗浄は外壁の汚れの種類や劣化の程度を見極めて、適切な方法・水圧で作業する必要があり、高圧洗浄のクオリティが外壁塗装全体の仕上がりに影響します。
仮に高圧洗浄を行わなければ、外壁表面に残っている汚れやコケ・カビの上から塗料を塗ることになり、塗料の密着度が低くなったり、塗りムラができたりして施工不良になる可能性が高まります。
施工後すぐのタイミングではきれいに見えたとしても、塗料と外壁材の密着度が弱いので、数年後に剥がれが生じるなどのリスクがあります。つまり、きれいに仕上げるのはもちろん、塗料本来の性能を維持するためにも、高圧洗浄は必須の工程なのです。
外壁塗装において高圧洗浄は必須の工程であることがわかりましたが、反対に塗装を行わないことは可能なのでしょうか。
高圧洗浄だけでメンテナンスが完了するなら、工程を大きく省けることになります。工程が少なくなると必要な材料や人件費などのコストも抑えられるため、結果的に費用が安くなるでしょう。
ここでは、外壁洗浄だけで問題ないのかを解説していきます。
しかし、高圧洗浄で落としているのは汚れだけではありません。外壁材の上に塗られている塗料の顔料や樹脂、塗膜など、塗料まで洗い流しているのです。
外壁材そのものには十分な耐久性がないものが多く、外壁塗装によって塗膜を形成することで、雨風や紫外線による外的要因の刺激から住まいを守っています。
つまり、「高圧洗浄を終えた外壁=外壁材がむきだしの状態」となっており、防水機能や撥水機能が失われているため、そのままの状態で放置すると、将来的に雨漏れやひび割れ、カビやコケなどが発生するリスクが高まります。
たとえば、前回外壁塗装をしてから数年しか経っていない、新築の住まいを引き渡しされてから数年しか経っていないといった場合、外壁塗装の劣化は進んでいないと考えられます。
その際、気になる汚れを家庭用の高圧洗浄機で落としておくと、きれいな状態の外壁を維持できます。ただし、高所作業は避けること、洗浄ノズルを近づけすぎて塗膜を傷つけないようにしましょう。
また、高圧洗浄機を使用せず、モップやブラシで汚れを落とす方法もおすすめです。
外壁の高圧洗浄を業者に依頼する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは、水による一般的な高圧洗浄とバイオ洗浄にかかる費用相場について解説します。
なお、高圧洗浄を行うのに何平方メートルかかるのかについては、以下の計算式で算出できます。
・高圧洗浄を行う面積=延べ床面積(坪数×3.3㎡)×係数(1.2倍)
こちらの計算式を使って30坪の住宅の面積を計算します。
・延べ床面積(30坪×3.3㎡)×係数(1.2倍)=118.8㎡
つまり、30坪の住宅全体の高圧洗浄を依頼する場合、118.8㎡×300円=35,640円となり、2,000円の水道代をプラスすると、35,640円+2,000円=37,640円が相場だと算出できます。
ただし、住宅の形状や外壁の状態によっても費用が変わること、足場の費用が含まれていない点には注意してください。
30坪の住宅全体に高圧洗浄を行う場合の面積はおおよそ118.8㎡なので、118.8㎡×800円=95,040円となり、4,000円の水道代をプラスすると、95,040円+4,000円=99,040円が相場だと算出できます。
バイオ洗浄は一般的な高圧洗浄では落ちない汚れが付着している箇所に行うので、住宅全体を行うケースは少ないですが、単価を知っておくことで見積書を確認するときに参考になります。
また、バイオ洗浄についてみ住宅の形状や外壁の状態によっても費用が変わること、足場の費用が含まれていない点には注意してください。
今回は外壁塗装のメンテナンスにおいて、高圧洗浄だけを行うことは可能かについて解説しました。
高圧洗浄はスポンジなどで擦っただけでは落ちない汚れもきれいに洗い流せるため、塗装を行う必要があるのか疑問に感じるケースもあるでしょう。しかし、高圧洗浄では汚れだけでなく、塗料の顔料や樹脂、塗膜も一緒に落としてしまいます。高圧洗浄を行った後は外壁材が保護されていない状態になるため、そのまま放置するのはおすすめしません。
ただし、外壁塗装の塗膜の効果が切れておらず、日々のお手入れとして家庭用の高圧洗浄機を使ったり、掃除用具を使って外壁を洗浄するのはおすすめです。
ぜひ今回の記事を参考に、適切なお手入れでよい外壁の状態を維持してください。
外壁洗浄だけでも見た目がきれいになることに加え、外壁塗装は30坪の住宅で90〜140万円ほどかかるのが相場であるため、「費用を抑えたいし、外壁洗浄だけできれいになるなら、塗装を行わなくてもよいのでは?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、外壁塗装の基本的な工程を解説したうえで、塗装を行わずに洗浄だけを行うことは可能かについて解説します。外壁のメンテナンスを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装の基本的な工程
まずは外壁塗装の基本的な工程について見ていきましょう。
順番 | 工程 | 内容 |
1 | 近隣あいさつ | 工事を始める前に近隣の方へ挨拶を行う。 |
2 | 足場組み立て | 外壁塗装は高所作業を伴うため、作業員の安全確保のために足場を組み立てる。 |
3 | 外壁(高圧)洗浄 | 高圧洗浄機で外壁の汚れや劣化した塗料を洗い流す。 |
4 | 養生 | サッシや玄関ドアなど、塗料が付着してはいけない箇所に養生を行う。 |
5 | 下地処理 | 下地処理で外壁の劣化を補修する。 |
6 | 下塗り | 塗装工程の1回目。塗料の密着性や持ちをよくする下塗材を塗る。 |
7 | 中塗り | 塗装工程の2回目。色のついた塗料を塗る。 |
8 | 上塗り | 塗装工程の3回目。中塗りを同じ塗料を使用し、膜厚を確保しながらきれいに仕上げる。 |
9 | 完了検査 | 塗り残しや剥がれなどがないかをチェックする。 |
10 | 足場解体&完成 | 完了検査を終えたら、足場を解体して完了となる。 |
このように、ひとえに外壁塗装といってもさまざまな工程があり、塗装工程に入るまでに大きく5つの工程があります。外壁洗浄はステップ3の工程にあたります。
外壁塗装に欠かせない高圧洗浄の基本情報
外壁塗装を行う際、「高圧洗浄(外壁洗浄)」という工程がセットになっているものですが、そもそもなぜ必要なのか知らない方も多いでしょう。
ここでは、なぜ高圧洗浄が必要なのか詳しく解説します。
高圧洗浄の役割
外壁塗装において高圧洗浄は欠かせない工程の一つです。外壁塗装における高圧洗浄とは、高圧洗浄機という機械を使用し、強力な水圧で外壁をクリーニングする作業のことを指します。
・一般家庭にある水道の水圧:2~4㎏f/㎠程度
・家庭用の高圧洗浄機の水圧:70~140㎏f/㎠程度
・業務用の高圧洗浄機の水圧:150~200㎏f/㎠程度
このように、業務用の高圧洗浄機にしかない強い水圧を使用することにより、長年外壁にこびりついた汚れを落とせます。
ただし、単に水圧が強ければよいというわけではなく、外壁の状態や箇所によって水圧を変える必要があります。たとえば、外壁が大きくひび割れているところに強力な水圧をかけてしまうと、さらに状態が悪化するケースがあるからです。
高圧洗浄により汚れや剥がれた塗膜を取り除くことで、きれいな外壁に塗料を塗布できるようになります。
高圧洗浄では「バイオ洗浄」を行うこともある
水による高圧洗浄である程度の汚れは落とせますが、コケやカビ、藻などを根本からきれいにするためにバイオ洗浄が行われることもあります。バイオ洗浄とは、バイオ洗剤を外壁表面に塗って細菌を分解し、そのうえで高圧洗浄を行うものです。
高圧洗浄は外壁の汚れの種類や劣化の程度を見極めて、適切な方法・水圧で作業する必要があり、高圧洗浄のクオリティが外壁塗装全体の仕上がりに影響します。
高圧洗浄を行うことで塗料の密着度が向上する
高圧洗浄で外壁をきれいな状態にしていることはわかりましたが、「汚れたままの外壁に塗料を塗るとどうなるの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。仮に高圧洗浄を行わなければ、外壁表面に残っている汚れやコケ・カビの上から塗料を塗ることになり、塗料の密着度が低くなったり、塗りムラができたりして施工不良になる可能性が高まります。
施工後すぐのタイミングではきれいに見えたとしても、塗料と外壁材の密着度が弱いので、数年後に剥がれが生じるなどのリスクがあります。つまり、きれいに仕上げるのはもちろん、塗料本来の性能を維持するためにも、高圧洗浄は必須の工程なのです。
塗装を行わず高圧洗浄だけを行うことは可能?
外壁塗装において高圧洗浄は必須の工程であることがわかりましたが、反対に塗装を行わないことは可能なのでしょうか。
高圧洗浄だけでメンテナンスが完了するなら、工程を大きく省けることになります。工程が少なくなると必要な材料や人件費などのコストも抑えられるため、結果的に費用が安くなるでしょう。
ここでは、外壁洗浄だけで問題ないのかを解説していきます。
高圧洗浄で塗膜を傷つけている可能性があるためおすすめしない
高圧洗浄を終えた外壁は、スポンジやたわしで擦っても落ちない汚れまで落とせているため、見た目でもわかるほどきれいになります。しかし、高圧洗浄で落としているのは汚れだけではありません。外壁材の上に塗られている塗料の顔料や樹脂、塗膜など、塗料まで洗い流しているのです。
外壁材そのものには十分な耐久性がないものが多く、外壁塗装によって塗膜を形成することで、雨風や紫外線による外的要因の刺激から住まいを守っています。
つまり、「高圧洗浄を終えた外壁=外壁材がむきだしの状態」となっており、防水機能や撥水機能が失われているため、そのままの状態で放置すると、将来的に雨漏れやひび割れ、カビやコケなどが発生するリスクが高まります。
気になった汚れを高圧洗浄で落とすのは良い
外壁塗装を行うべきタイミングで高圧洗浄のみを行うのはリスクが高いですが、日々のお手入れの一環として家庭用の高圧洗浄機を使うのはおすすめです。たとえば、前回外壁塗装をしてから数年しか経っていない、新築の住まいを引き渡しされてから数年しか経っていないといった場合、外壁塗装の劣化は進んでいないと考えられます。
その際、気になる汚れを家庭用の高圧洗浄機で落としておくと、きれいな状態の外壁を維持できます。ただし、高所作業は避けること、洗浄ノズルを近づけすぎて塗膜を傷つけないようにしましょう。
また、高圧洗浄機を使用せず、モップやブラシで汚れを落とす方法もおすすめです。
外壁塗装の高圧洗浄にかかる費用相場
外壁の高圧洗浄を業者に依頼する場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは、水による一般的な高圧洗浄とバイオ洗浄にかかる費用相場について解説します。
一般的な高圧洗浄
一般的な高圧洗浄を依頼する場合、高圧洗浄費は1㎡あたり200〜300円、さらに水道代は1,000〜2,000円ほどかかります。なお、高圧洗浄を行うのに何平方メートルかかるのかについては、以下の計算式で算出できます。
・高圧洗浄を行う面積=延べ床面積(坪数×3.3㎡)×係数(1.2倍)
こちらの計算式を使って30坪の住宅の面積を計算します。
・延べ床面積(30坪×3.3㎡)×係数(1.2倍)=118.8㎡
つまり、30坪の住宅全体の高圧洗浄を依頼する場合、118.8㎡×300円=35,640円となり、2,000円の水道代をプラスすると、35,640円+2,000円=37,640円が相場だと算出できます。
ただし、住宅の形状や外壁の状態によっても費用が変わること、足場の費用が含まれていない点には注意してください。
バイオ洗浄
バイオ洗浄を行う場合は単価がアップし、1㎡あたり500〜800円、さらに水道代は2,000〜4,000円ほどかかります。30坪の住宅全体に高圧洗浄を行う場合の面積はおおよそ118.8㎡なので、118.8㎡×800円=95,040円となり、4,000円の水道代をプラスすると、95,040円+4,000円=99,040円が相場だと算出できます。
バイオ洗浄は一般的な高圧洗浄では落ちない汚れが付着している箇所に行うので、住宅全体を行うケースは少ないですが、単価を知っておくことで見積書を確認するときに参考になります。
また、バイオ洗浄についてみ住宅の形状や外壁の状態によっても費用が変わること、足場の費用が含まれていない点には注意してください。
まとめ
今回は外壁塗装のメンテナンスにおいて、高圧洗浄だけを行うことは可能かについて解説しました。高圧洗浄はスポンジなどで擦っただけでは落ちない汚れもきれいに洗い流せるため、塗装を行う必要があるのか疑問に感じるケースもあるでしょう。しかし、高圧洗浄では汚れだけでなく、塗料の顔料や樹脂、塗膜も一緒に落としてしまいます。高圧洗浄を行った後は外壁材が保護されていない状態になるため、そのまま放置するのはおすすめしません。
ただし、外壁塗装の塗膜の効果が切れておらず、日々のお手入れとして家庭用の高圧洗浄機を使ったり、掃除用具を使って外壁を洗浄するのはおすすめです。
ぜひ今回の記事を参考に、適切なお手入れでよい外壁の状態を維持してください。
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